当社のコンサルタントは様々なプロジェクトに参加する機会を頂いており、チーム全員がオフィスやオンラインで顔を会わせる機会は限られています。そこで、1年に数回、チームビルディング活動のための時間を確保しています。先日、この活動としてローチョコレート作りを体験してきました。
ローチョコレートとは、砂糖を使わずに自然の甘味料を使用し、また比較的低温で調理するため栄養素や酵素が失われず、とてもヘルシーな食べ物です。せっかくですからおいしさと美しさを備えたチョコレートを作りたいのですが、そのために大事なのが温度管理。カカオバターの加熱と冷却を繰り返すときに、温めすぎず、冷やしすぎず、ちょうど良い温度(まさに『スイートスポット』)で調理することがおいしさと美しさを生み出します。
とても簡単なことのように聞こえますが、初心者にとっては想像よりもずっと難しく、思うように温度をコントロールできません。なかなかスイートスポットまで下がらない、と思ったら急に下がりすぎる、温めるときも同じで、最初はなかなか温度が上がらなかったのが急に上がってスイートスポット超え… 失敗を避けようというプレッシャーは強まるばかりで、チーム全員、温度計に集中。無言の時が流れます。
それでも「この程度ならスイートスポットを外してもリカバリーできるから問題ない」という勘所をつかめると、プレッシャーは消え去ってようやく笑顔が戻りました。おかげでコミュニケーションも良くなり、チームで許容範囲を共有した後は、調理を楽しむことができました。
最後には何とか、ローチョコレートが完成。私たちのデビュー作のおいしさと美しさを楽しみました。甘いというよりは少々ビターでしたが、それはスイートスポットを何度も外したせいではなく、カカオ本来の味わい(と信じています)。
ふだんの仕事では、失敗無くプロジェクトを完了することがお客さまの利益になりますので、失敗回避に全力を尽くしています。しかし、お客さまにご迷惑をおかけしない場で、チーム全員で失敗(とリカバリー)を練習しておくのはとても貴重な経験となりました。次は何で失敗しようか、チームで思案を続けている今日この頃です。
(今回のチームビルディングは、ローフード、ロースイーツの分野でご活躍され、ローショコラティエ協会を設立、主宰されている料理家の安藤千英先生(https://www.instagram.com/rawfoodhaccolab)に大変お世話になりました。末筆ながらお礼申し上げます。)