『グローバルエアラインの経営と実務』出版にあたっての最初のきっかけとなったのは、2020年に実施された社内勉強会でした。原著である「Airline Operations and Management」を基に航空業界の歴史や成り立ちについて経営マネジメントの観点から専門的な知識の理解をより深めることを目的として、参加メンバーでディスカッションを交えながら、学習をしました。のちに日本語版の出版決定にあたって、有志メンバーが集い、翻訳作業に取り組むこととなりました。
翻訳作業を進める中で、英文ならではの言い回しや専門用語、文章の構成を読者に向けて日本語として読みやすく、原文同様の意味、正しい説明として伝わるよう言葉を選択し、表現することの難しさを感じました。英語で読むと容易に理解ができる文を単純に日本語に翻訳してしまうと、説明が曖昧となり何を言っているのか分からなくなってしまう、ものによっては全く別の意味で読者に伝わってしまうという箇所が多々ありました。航空業界特有の知識、英語を正しく読み解くスキルも勿論重要でしたが、日本語を丁寧に正しく扱う能力、語彙力の高さが翻訳において、いかに大切であるかを痛感した次第です。原著の内容、意図を汲み取り、日本語で正しく伝わるよう作業チームで何度も読みなおし、修正を重ねました。
出版後、実際に書籍を手に取った際には感慨深いものがありました。この翻訳プロジェクトは各メンバーにとって大きなチャレンジでしたが、大変貴重な経験となりました。